清潔感はファッションから

なんだか夏みたいな天気ですね！
でもって、みんなが恋しているからわたしも片思いしてみようと思ったんです。
そのためには相手が必要だなって思っちゃった。

誰にしようか？
クラスメイトの智也にしようか、それともバイト先の社員の田中さん、近所に住んでいる幼馴染のあつしちゃん、顔を思い浮かべてみるが、恋愛相手には、物足りないんです・・・。
私ってどんだけ～（笑）

突然白馬の王子様が目の前に現れてくれないかな～。
なんて片思いの妄想を胸に秘めて歩いていると、バス停の前にすらっと背の高い若い男がいるのに気づいたのでした。

細い胸板、手足が長い。指先がピアニストみたいです。あの指で髪をなでてもらったら私は気持ちいいいだろうなぁ、なんて・・・。

音楽をやっている人だろうか。肩からさげたバッグの中には楽譜が入っているのだろうか？
明日の飛行機でどこか留学に行ってしまうかもしれない雰囲気。

告白するのは今しかない。
切羽詰まった状況を描いていたんです。


音楽のために留学する期間ってのは、たぶん三年かな。
あの指に触れることは、もうしばらくできない。

この手にとってほおずりしたい。
あの細い胸に飛び込んでいきたいんです。


でも突然、別れはやってくるものです。
青と白のツートンカラーのバスがやってきました。

わたしの目の前から彼を連れ去っていったのです。
吊り革につかまっている彼がわたしのほうを見たような、そんな気がしました。


彼の目の視線ってのが、どこをとらえていたかはわかなかったです。
こうしてわたしの片思いは、告白することもなく終わってしまったのでした。
　
でももし明日も、彼が、このバス停にいたならばどうしようか？
片思いの恋の続編が始まるかもしれないとなぁ、と期待していたわたしだったのでした。


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